
高齢のワンちゃん、猫ちゃんは腎臓病になる割合が特に高くなります。
今回は腎臓の働きや、腎臓の健康をサポートするサプリメントをご紹介します。
腎臓の働き
そもそも腎臓とはどのような働きをする臓器なのでしょうか?
腎臓には主に2つの役割があります。
消化管で吸収された栄養素は、肝臓へ運ばれ代謝され、各種エネルギーに変換されて利用されるのですが、その代謝の過程で生じた老廃物は体外に排出しなければなりません。
そこで、体外へ排出したい老廃物は血流にのせて腎臓へ運び、腎臓に処理してもらいます。
腎臓は血液中に含まれる尿素などの老廃物をろ過して尿に変換し排出するのですが、ただ腎臓へ流れてきた物質を排出するだけでなく、体内に必要なものは再吸収をします。
体内に必要なものと不要なものを振り分ける働きもあるのです。
腎臓は、赤血球の合成を促すエリスロポエチン、ナトリウム・カリウムの量を調整して血圧の維持に関わるレニンというホルモンを生成します。
他にもカルシウムの代謝に関わる活性型ビタミンDを作り出す作用もあります。
慢性腎臓病とは
腎臓が障害を受けて働きが失われてしまうと、老廃物を尿として排出する力が弱まり、老廃物が体内に蓄積してしまいます。
腎臓の機能が徐々に低下している状態にあることを慢性腎臓病といいます。
体内に老廃物が蓄積されると尿毒症へと進行し、嘔吐や下痢などの消化器症状や、
元気消失の他、貧血、けいれんなどの神経障害を生じることも。
一度壊れてしまった腎臓の組織を修復することはできませんが、
早期の治療、食事療法、サプリメントを上手に利用することで、進行を遅らせることは可能です。
腎機能が低下したときに気を付けたいこと
なぜ?
リンは腎臓を経て尿として排泄されるため、腎臓の機能が低下すると、体内に蓄積されて量が過剰になってしまいます。
血中にリンがたまると、ホルモンの働きによって骨からカルシウムが取り出されるため、骨がもろくなります。
取り出されたカルシウムとリンが結合し、血管の壁に沈着して石灰化を起こすと、体内に様々な悪影響を及ぼします。
そのため、慢性腎臓病の場合には、リンの摂取を制限する必要があります。
★リン吸着剤と呼ばれるサプリメントは食事由来のリンを吸着し、糞便として一緒に排泄されます。
なぜ?
タンパク質は体をつくり、活動していくうえで必要不可欠な栄養素なのですが、
タンパク質を代謝することによって窒素性の老廃物が産出されます。
腎機能が低下している状態では窒素老廃物をろ過する際の腎臓の負担も大きく、
だんだんとろ過する力が弱くなってしまうため、これらの老廃物が体内に蓄積されてしまいます。
その結果、尿毒症の発症リスクが高まります。
慢性腎臓病の場合には必要に応じたタンパク質の摂取制限が必要となります。
★腸内細菌の善玉菌が増殖する際に窒素化合物を使用することに注目し、
体内の窒素老廃物の低減を目的としたサプリメントがあります。
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窒素老廃物を栄養源として利用できる3種の善玉菌を配合。全米シェアNo.1の心腎サポートサプリメントです。 |
善玉菌である乳酸菌と、その栄養源となり増殖を助ける物質が含まれています。療法食とも併用できます。 |
★リン吸着と善玉菌の消化管内窒素物のケアを組み合わせたタイプのオールインワンサプリメントもあります。
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リン吸着と消化管内窒素物のケアを同時に行うことができ、中高齢期のワンちゃんネコちゃんの腎臓の健康を維持します。 |
なぜ?
赤血球の合成を促すエリスロポエチンというホルモンは腎臓で生成されるので、
腎機能が低下することによってエリスロポエチンの分泌が低下すると、非再生性の貧血に陥るリスクが高まります。
★血液の生成に必要な鉄分、銅、ビタミンB群などの栄養素はサプリメントでも補うことができます。
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鉄分、銅、ビタミンB群を配合しており、血液の生成に必要な栄養素を補うことができます。小さなペットにも給与しやすいリキッドタイプ。 |
FCVリキッドに、ブルーベリー茎エキスを配合することで、腎臓の健康維持をサポート。高い抗酸化力で毛細血管の健康維持をサポートします。 |
なぜ?
腎臓は体内の老廃物を尿中に濃縮して排出する働きがあります。
腎機能が低下すると尿を濃縮して排出する力が弱くなり、体内の水分が尿としてたくさん出ていってしまいます。
そうなると体内は脱水を生じてしまうのですが、体内の水分量が減ってしまうと血液や尿中の毒素の濃度が濃くなってしまうので、
さらに腎臓病が進行してしまう恐れもあります。
水分が不足しないよう、ペットが十分な水分摂取をできているか注意してみてあげましょう。
★日ごろから適切な水分補給を心がけることは、腎臓病の進行を遅らせることにもつながります。