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フランスの意外な犬分類
フランスでは、一般の方はどんな犬でも基本的には飼うことができます。しかし、「危険な犬」カテゴリーに分類された犬種に関しては、社会で共同生活をしていく上で、人や家畜に危険を及ぼす可能性があると判断されています。その犬種を飼育する場合は、飼い主として社会的に迷惑をかけず、飼育者として適性がある、と判断された場合にのみ所持許可証が発行され、飼育することができます。
「危険な」犬の種類
具体的にどんな犬が人間と共同生活していく中で「危険」であるかは、形態的特徴に基づいて2種類に分類されています。これにより、この種の犬の飼い主さんがある種の義務を自覚し、ある種の予防措置を講じなければならないこと(周囲に危険が及ばないように訓練するなど)を常に意識することになります。また、この分類に入っている犬が必ずしも危険な犬であるという意味ではありません。
・カテゴリー1:これらは「攻撃犬」で、3つのタイプで構成されています。
①アメリカン・スタッフォードシャー・テリア系犬(旧スタッフォードシャー・テリア)、「ピットブル」とも呼ばれます。(写真は全て純血種です。)
②マスティフタイプの犬で、「ボアブル」とも呼ばれます。
③土佐犬タイプの犬。
・カテゴリー2:これらは「番犬・防衛犬」で、3品種(血統書が登録されている)と1タイプで構成されています。
① アメリカン・スタッフォードシャー・テリア(旧スタッフォードシャー・テリア)
②ロットワイラー犬
③ロットワイラータイプの犬
④土佐犬
※タイプとは形態的特徴が純血種に似ている、また、品種とは公式に血統書登録がなされている、という違いがあるところに注意が必要です。
所持許可証
現在、カテゴリー1、2の犬の飼い主さんは、所持許可証を取得する必要があります。住んでいる地域の役所で手続きを行うために、以下の3つの条件をクリアしなければなりません。
①適性証明書:犬の教育、行動、事故防止に関する7時間のトレーニングコースを受講していることが必要です。このトレーニングは、公式に認定されたトレーナーによって実施されています。
②犬の行動評価:カテゴリー1または2の犬は、生後8ヶ月から1年の間に、評価担当の獣医師による行動評価を受けなければなりません。生後8カ月未満の場合は、仮保有許可証が発行されます。
③犬の身分証明書(健康パスポート)、狂犬病予防接種証明書、不妊手術証明書(カテゴリー1のみ)、飼育者の民事賠償責任保険証明書、の提出。
※所持許可証を持っていない場合、3ヶ月の禁固刑と3,750ユーロ(50万円以上)の罰金、さらに動物の飼育を一時的または永久に禁止することが定められています。
飼い主さんにとってはとてもかわいい愛犬ですが、超大型犬になると、うっかりしたことで大怪我につながることもあるため、フランスではこのようにしっかりとした管理体制ができています。
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