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初めて犬を飼う友達のエピソード
2022年、新年を迎えてから程なくして、スペイン人の友人から、「初めてだけれど、犬を飼おうと思っている」と聞きました。
彼女はすでに1頭の猫を飼っており、住んでいるアパートは広いバルコニーがあって、お天気が良ければ、そこで食事をすることもできます。
猫1頭であれば十分なスペースのキッチンダイニングと寝室という間取りですが、
犬を一緒に飼育するには、少し無理があるかとも思いました。
しかし、小型犬であれば不可能ではありません。
そこで、小型犬を勧めました。
ただし、彼女はよく私に電話をしてきて「猫が脱走して怪我をして帰って来た。どうしよう」といった相談を持ちかけるタイプのため、犬の世話ができるかが心配でした。
(つい1週間ほど前も、猫がバルコニーから落下して、ラッキーにも無事帰宅できたと聞かされたばかりです!)
もちろん、犬は飼い主が躾けなければ何もできない、毎日2回は散歩に行かなければならない、毎月の予防薬、などの説明をしました。そして、獣医師の心配はよそに、彼女は犬を手に入れることになるのです。
友達が選んだ犬とは
1ヶ月経過した頃、突然、WhatsApp(日本のLINEみたいなもの)に犬の写真が送られてきました。
そして、そこには ”C’est mon bébé. (これ、私の愛しい子)”と、メッセージがありました。
← 2022年1月の来たばかりの頃の写真
写真を見た私は、開いた口が塞がりませんでした。なんと、彼女はゴールデン・レトリバーを飼い始めたのです!
まさか、よりにもよってこんな大型犬を選んだ!
そこで早速彼女に電話して、どういうことかを問いただしたところ、実は、盲導犬になる予定の子を、地域の盲導犬協会から預かった、という話でした。それを聞いてホッとしましたが、そのシステムについては知らなかったので、彼女に説明してもらいました。
盲導犬協会のボランティア
近所にある盲導犬協会では、生まれて2、3ヶ月の将来盲導犬になる子犬をボランティアで飼育してくれる人を探しています。
彼女はそれに登録をして、運良く、すぐに新しい子犬が入って来たので、飼い始めたそうです。
協会は動物病院の費用、エサ、その他、全て、子犬にかかる費用を負担します。そして、およそ1年間預かった後、協会に戻して、盲導犬訓練が8ヶ月間行われます。預かっている間は、飼い主として、できる限りあちこちに連れて行って、社会化させる、という仕組みです。
子犬達は、この期間、特別なジレ(gilet、将来の盲導犬と書いてある)を装着するので、どこにでも出入りができます。今はホテルで仕事をしている友達と毎日通勤をしている状態で、べったり24時間一緒の生活です。
← ジレを付けてスーパーマーケットに行った時の写真
しかし、案の定、友達はすでに、すぐに口に物を入れたり、散歩すればぐいぐい引っ張られる、など、かわいいけれど、かなり疲れた、と言っています。
私は獣医師として、あと半年ほど無事に『無事故』で預かり期間を終了できるよう、それだけを祈っています。
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